アマゾン販売でアカウント健全性ダッシュボードに、知的財産関連の通知を受けたことがある方も多いかと思います。
今回初めて「知的財産に関する苦情」を受け、FBA在庫が保留されてしまいました。
残念ながらアカウント健全性ダッシュボードから警告は消せていませんが、いろいろ試した結果、保留されたFBA在庫は取り戻せたので、似たような状況にいる方のヒントにでもなればと思います。
アカウント健全性の「知的財産に関する苦情」にカウント
しばらく前に「知的財産に関する苦情」の通知を受けました。
この通知は、商品の権利者からの申し立てを受けて、アマゾンからセラーに通知されるようです。
なお理由は「テスト購入なしの偽造品」で、権利者のメーカーが実物を見て偽造品と判断したわけではないようです。
何度も仕入れたことのある卸会社から仕入れており、決して偽物ではないはずですが・・、ただ初めて仕入する製品ではありました。
権利侵害の申し立ての詳細
なおメールにて受領した権利侵害の詳細は以下のようなものでした。
- 権利者から商標権を侵害しているとの申し立てがあり、出品を停止した
- 出品を再開にはメーカーまたは権利者からの請求書、認可書またはライセンス契約を提出すること
- もしくは権利者に連絡をとって申し立ての撤回を依頼すること
- 侵害の種類、商標番号
仕入先に問い合わせするも、出品再開に必要な資料は取得できず
まずは仕入先に問い合わせて、アカウントスペシャリストから要求される「メーカーまたは権利者からの請求書、認可書またはライセンス契約」などもらえるか聞いたのですが、できないとのこと。
権利者に連絡する
また、取り急ぎアマゾンからの通知メールに記載のあった、権利者(メーカー)の連絡先(メールアドレス)に、以下のような内容を送付しました。
- 商品の仕入先情報
- 仕入時の資料を添付
- もう同社製品は出品しない
- 申し立ての撤回をお願いしたい
が、何か月経過の今も返信は無く、権利侵害の申し立ても撤回されていないので、読んでもらえたのかすら分かりません。
仕入時の領収書を送って出品再開を依頼してみる
卸会社から仕入れたとはいえ、アマゾンから要求される 「メーカーまたは権利者からの請求書、認可書またはライセンス契約」 は出せそうにありません。
ただ、この商品の残在庫がFBA倉庫に複数残っているのであきらめきれず。
まずはダメ元で、
「卸会社から仕入れた商品であり偽物では無い。仕入時の領収書もあるので添付する」旨をアカウントスペシャリストに返信しました。
が、資料不足で出品再開不可との回答でした(´;ω;`)
このあとも、もう一度食い下がったのですが、同じコピペ回答が返ってきて、出品再開はもう無理っぽいなと・・・
なお出品再開出来ない場合、FBA倉庫に残っている在庫はどう処理すればいいのか、併せて質問していたのですが、テンプレ回答の文面には盛り込まれず、見事にスルーされました。
改善計画を出して、FBA在庫が残ったまま出品削除
権利者からの申し立て撤回はほぼ望めず、かつアマゾンが求める資料も出せない以上、改善計画を出して幕引きをお願いするしかなさそうです。
ただ気になるのはFBA倉庫に残っている在庫の扱いです。
実は保留されているFBA在庫については、一番最初にアマゾンから通知があった「知的財産に関する苦情」のメールの最後の方にヒントはありました。
が、この時点では冷静さを失っており、読み飛ばして気が付かず……。
まずは改善計画をアカウントサポートに送りました。
FBA在庫が残ったまま出品削除を実施
しばらく待ってもアカウントサポートからの回答が無い。
この「知的財産に関する苦情」のあった商品が出品登録されたままでは、改善計画の受け入れは無理なのかと思い、FBA在庫が残ったまま在庫管理画面からこの商品の出品情報を削除しました。
ただこの時点で削除してしまうのがよかったのかは、よく分かりません。
アカウントスペシャリストには出品登録を削除したことを後追いで連絡。
在庫管理画面からは確認出来なくなったが、でも確実にFBA倉庫には残っている、この宙ぶらりんなFBA在庫がどうなるのか不安が残ります。
アカウントサポートからの回答
しばらく待って、 アカウントスペシャリストから回答がありました。
出品情報を削除したことは確認してもらったようです。
また文面の最後には、この商品を再出品などしない限り「これ以上の対応は必要ありません」とのことで、改善計画の提示で一応の幕引きは出来た感じです。
あとは、180日後にアカウント健全性ダッシュボードから通知が消えるまで、待つだけしかできそうにありません。
でも、最後に残る疑問「FBA倉庫に残っているこの商品の在庫はどうなるのか?」がまだ解決していません。
保留中のFBA在庫の扱いはどうなるのか質問する
アカウントスペシャリストに電話で質問してみる
残る疑問である「FBA倉庫に残っている宙ぶらりんな在庫」がどうなるのか、 アカウントスペシャリストにきちんと説明が聞きたい……が、既にテキストメッセージでは2回ほど質問しているものの、全てスルーされています。
なので今度は、下の案内から電話で聞いてみることにしました。
アカウントスペシャリストとテクニカルサポートの間をさまよう・・
さすがに電話で聞けば何かしらヒントはもらえるのではないかと、淡い期待はあったのですが、
何度聞いても、「FBA在庫の扱いは アカウントスペシャリストの範疇ではないので分からない」とのことで、「テクニカルサポートに聞いてほしい」との回答。
で、今度はテクニカルサポートに質問をすると、「知的財産に関するの苦情」を受けたままのステータスにあるFBA在庫については、こちらでは分からない」とのこと。
数回別の担当者に代わっても、「こちらでは分からない、あちらに聞くように」との感じ。
誰が教えてくれるのか……?
フルフィルメントセンター在庫の返送/廃棄のヘルプにヒント
何度かこの実りのないループを繰り返した後に、ようやくヒントらしきものを聞き出せました。
セラーセントラルのヘルプを開き、「廃棄」で検索すると、検索結果に「フルフィルメントセンターから在庫を返送/廃棄する」のページが表示されますので、このページを開きます。
「フルフィルメントセンターから在庫を返送/廃棄する」のヘルプページ内に、以下の「重要」となっている箇所があります。
いわく、今回「知的財産に関する苦情」を受けた商品はここで書かれている「安全に対するリスクが生じる場合」に該当しているのではないかとのことで、販売不可状態になって30日後に自動で廃棄処理が進む可能性があるとの回答でした。
まずは30日待って、廃棄のメールが届くかどうか確認してほしいとのことでしたので、いったん待つことに……
30日経過後も廃棄のメールが来ない
30日間経過するも廃棄のお知らせは来ず……
一番最初に受信したメールをよく読むと、もう一つヒントあり
再度 アカウントスペシャリストに聞こうかと思っていたのですが、改めて一番最初に来た「知的財産に関する苦情」の通知メールを読むと、最後の方に以下の文言があることに気が付きました。
つまり、
- 「知的財産に関する苦情」が通知されてから90日間は真贋の証明を受け付ける期間で、出品回復の可能性もありうる
- この90日の期間中はFBA倉庫にある在庫は「出品停止」となるが、アマゾンがこの在庫を破棄できる権利はまだ無い
- 90日後に真贋の証明が出来ないことが確定した時点で、アマゾンがこの在庫を破棄できる権利を得る
と読めます。
ここで、改めて 「フルフィルメントセンターから在庫を返送/廃棄する」 のヘルプページの記載を確認すると、ここにはアマゾンが在庫を破棄できる権利を得てからの対応が書かれていると読めます。
「知的財産に関する苦情」を受けたFBA在庫の扱いを整理してみる
ということで、私のように「知的財産に関する苦情」の通知を受けて真贋証明できない場合、FBA在庫の扱いがどうなるのか整理してみると、このような感じかと。
- 「知的財産に関する苦情」通知後の90日間は、セラーが真贋を証明できる資料を提出可能な期間で、真贋証明がされるまでの間は該当FBA在庫が「出品停止」状態になる
- 真贋証明がされない間も90日経過までは、アマゾンが在庫を廃棄できる権利が無い
- セラーが真贋の証明が出来ずに90日間経過すると、アマゾンが該当FBA在庫を廃棄できる権利を得る
- アマゾンが廃棄できる状態になったFBA在庫は、フルフィルメントセンターで30日間保持された後に自動的に廃棄される。廃棄前にはメールで通知がある。
つまり、90日間+30日間=120日館(約4か月間)は、該当FBA在庫はフルフィルメントセンターに保留され、その後自動で廃棄されるという流れになるのではと推測されます。
改善計画を出したからといって、この期間に何ら影響は及ぼさないものと。
というわけで「知的財産に関する苦情」の通知を受けてから90日後に、FBA在庫の廃棄予告メールが来るのか確かめるべく、さらに待ってみることにしました。
途中の60日目に「FBA在庫の真正性に関する審査」のメールが届く
しばらく経ったある日(「知的財産に関する苦情」の通知を受けてから60日目)、アマゾンから「FBA在庫について真正性の審査中」であるとのメールを受けました。
残り30日以内に真正性を証明する資料を提出するようにとの督促のようです。
すでに改善計画を提出して、 アカウントスペシャリストから、出品再開を望むようなことが無い限りは「これ以上は対応不要」と回答をもらっているので、このまま待つつもりでした。
この時点で60日経過していて、残り30日以内に真正性の証明の資料を提出するようにとのメール。
やはり一番最初に通知を受けたメールにあった通り、90日間の真贋証明の提出期間を待って、在庫が破棄される流れになりそうです。
ダメもとでセラースケットに登録して「情報提供掲示板」を覗いてみる
このまま待っていれば30日後にはFBA在庫の廃棄の手続きが進み、さらに数が月待っていればアカウント健全性からも「知的財産に関する苦情」の警告が消えるはず。
もう頭を切り替えてこの件に時間を割くのは辞めようとも思ったのですが、やはり偽物では無いと確信しているFBA在庫を強制的に廃棄されるのも面白くないし、そこそこの仕入れ値なので惜しくもある。
これまでに数か月、アマゾンの知的財産に関していろいろウェブを検索していて「セラースケット」というサービスで、アマゾンのアカウントに関する情報を提供しているとのことを何度か見かけていました。
無料で20日間使えるとのことで、もう最後試しに見てみるかと登録してみたところ、「情報提供掲示板」のサービスに参考となる情報が多数ありました。
今回の私と同じ「知的財産に関する苦情」で出品停止になったセラーの情報・対応も多数掲載されています。
もし私も「知的財産に関する苦情」を受けた時点で、 セラースケットの「情報提供掲示板」 を最初に見ていたら、用意する資料も初動もかなり違っていただろうなと思います。
予備知識が無い状態で知的財産に関する出品停止を受けると、 アカウントスペシャリストからのテンプレメール(正直言ってかなり分かりづらい)だけで判断せざるを得ず、冷静な対処が難しかったと実感しています。
FBA在庫の真正性に関する審査は アカウントスペシャリストとは違う部署?
実は出品停止60日後に受信した「FBA在庫に関する真正性の審査」のメールについて、微妙に違和感を覚えていました。
そもそも最初に「知的財産に関する苦情」を通知してきた アカウントスペシャリストと、この「FBA在庫の真正性の審査」のメールを送信したところは同じ部署なのか?
セラースケットの情報提供掲示板を読んでいて、参考になった記事がありました。
この記事を読んで、改めて「知的財産に関する苦情」と「FBA在庫の真正性の審査」の文章をよーく比べてみると、求めている資料に違いがあることに気が付きました。
そこで、アマゾンの アカウントスペシャリストとテクニカルサポートに、それぞれ改めて電話で質問してみたところ、この「知的財産に関する苦情」の審査と「FBA在庫の真正性の審査」を行っている部署は違っているとの情報を得ました。
部署が違っているのであれば審査内容も異なるかもしれず、アカウント健全性の「知的財産に関する苦情」の警告は180日間消えなくても、保留になっているFBA在庫は保留解除できるかもしれない。
保留されていたFBA在庫が取り戻せた
ここで、セラースケットの情報提供掲示板の記事で参考になった追加情報を盛り込んで資料を作り直し、「FBA在庫の真正性の審査」をしている宛先に返信したところ、FBA在庫の保留解除が出来ました。
なお、同じ資料を再度 アカウントスペシャリストにも送ってみましたが、こちらは資料が不足しているとの理由で「知的財産に関する苦情」の撤回は出来ませんでした。
やはり対応している部署も審査基準もかなり異なるようです。
多分セラースケットの記事を読んでいなければ「FBA在庫の真正性の審査」を送信してきた部署は アカウントスペシャリストだと思い込んで、資料を返信するといったアクションは起こさず、FBA在庫は30日後に廃棄されていたでしょう。
数万円分の在庫だけでも取り戻せたのでありがたかったです。
もし似たような状況にある方がいたら、慌てて性急なアクションは起こさずに、セラースケットの情報提供掲示板の記事を読んでみるのはどうでしょうか。
数時間もあれば情報提供掲示板で参考になる記事や予備知識がいろいろ手に入ります。
予備知識があるだけでも、いくらか冷静な思考が戻り、初動も以後の対応も変わってくるかと思います。
また既にFBA在庫として持っている商品についても「FBA在庫自動検出機能」で自動チェックされて、下のように危険度A~D・リスク低にランク付けされます。
ここで危険度A~Bと判断された出品を取り下げれば、連続してさらなるアカウントへのダメージを避けるのに有効かと思います。
初回20日間は無料で利用できますので、同じような状況で不安に思っているのであれば、一度情報提供掲示板だけでも覗いてみることをお勧めします。
一人で思い悩むよりも、いろいろ思考をめぐらす余裕が出てくるかと思います。
セラースケット20日間の無料期間-情報提供掲示板を読むだけでも価値あり
なお登録して20日間の無料期間経過後に「プレミアコース」になれば、「適宜アカウント相談サービス」や「アカウント停止・閉鎖時のサポートサービス」など、個別サポートを依頼出来るようになります。
今回の私と同じ「知的財産に関する苦情」を受けたものの、この個別サポートの助けを受けて、申し立ての撤回およびFBA在庫の取り戻しが出来たセラーの事例もありました。
アカウント健全性ダッシュボードから警告が消えるのもまだ先ですので、今後も知的財産には気を付けたいと改めて思う次第です。